中央線が走る。オレンジラインの車体がシューっと音を立てて。このzineの構想が生まれたのもたしか中央線の中だった。そこそこ面白くなるだろうけれど、僕の他に書く人もいないし、A4のコピー用紙か何かで束ねようとか、そんな始まりだったと思う。それがTwitterを経由した11人もの仲間の力を借りて、60ページものzineになった。編集長としてこれ以上の喜びを見出すのは実に難しい。もう今なら死んでも良いとすら思える。
そんな幸福を携えたzineをお手にとっていただきたい——だからこうしてまた、橙色の線引きがされた電車でこの言葉を紡いでいる。電車は国分寺で青梅特快との待ち合わせのため静かに止まっている。そう、あなたが文フリで、書店で、通販で、このzineを見つけて胸躍らせながら平静を装って立ち止まり、まじまじと表紙の女性を見つめるかのように。
私たちはよそおっている。それはもう間違いのない事実だ。このzineもただ装いとしてそこにある。ただ他所追いとして——ここにある。その他所が、どうかあなたのところでありますように。
編集長 大田 栄作

